虹を見ないマメパト
2012年発売 7月発売 拡張パック「フリーズボルト」収録。BW6/050/059
【入手場所】
・実店舗:★★★☆ 実店舗でたまにかける
・ネット通販:★☆☆☆ ネットで容易に入手可能
Illus. Komiya Tomokazu(コミヤトモカズ)氏
作品はどれも独特の世界観とタッチで描かれ、世界中のポケカコレクターから「唯一無二のカルト的な人気」を誇る最強の個性派絵師です。日本の世間一般では、「綺麗で可愛いイラスト」こそ正義であるため、ヘタウマと称され揶揄されていますが、とんでもない。2023年9月から2024年1月までの約3か月半、オランダのアムステルダムで開催されたポケモンとゴッホ美術館のコラボ展にて「ゴッホの絵をオマージュした公式絵を描いた」3人の中の1人です。もちろん手がけたポケモンは「キマワリ」。またポケカ界に長年携わっている絵師で、多くのカードを手掛けられています。ストレージ捜索の際は是非お探しを。
雨が上がり、目の前に大きな虹が架かったその瞬間。カメラを構えたトレーナーは、胸を熱くして叫びました。「マメパト!この最高の瞬間に、俺たちの思い出の写真を撮りたいんだ!あの虹の近くを、綺麗にカッコよく飛んできてくれ!」大好きなマメパトと、虹と、海。すべてが揃った完璧な1枚を残すための、トレーナー渾身の熱い命令。しかし、彼は『アホなマメパト』だった――。次の瞬間にファインダーに映し出されたのは、あまりにもアホで愛おしい光景。「(飛べと言われたのを一瞬で綺麗さっぱり忘れ)……え?写真を撮るの?じゃあ僕、ここでカメラ目線でポーズ決めるね!」と。レンガ塀の上に居座ったまま、ドヤ顔の虚無目線でカメラ(トレーナー)をじっと見つめている。右のマメパト:「おい……!『虹の近くを飛べ』って言われたんだよ!なんでお前、カメラのど真ん中にポスンと座ってキメ顔してんだよ……!」と、呆れ果てて右を向いている。そんな一コマを表現。こみや氏は、マメパトの「忘れっぽい」という生態を、「最高の絶景のなかで、愛するマメパトと最高の写真を撮りたいトレーナーと、命令を忘れて特等席でドヤ顔して居座るマメパト」という、熱くて、アホで、愛おしすぎる日常のオチとして仕込みました。結局、その日トレーナーのカメラに残ったのは、「虹の近くを美しく飛ぶマメパト」ではなく、「絶景のど真ん中で、命令を忘れて完璧なドヤ顔で居座るマメパトと、それに呆れ果てる相方」という、なんともマヌケな1枚。狙っていた100点満点のカッコいい写真は撮れなかったかもしれません。しかし、何年経ってもこの写真を見返すたびに、トレーナーの脳裏にはあの日の「雨上がりの海の匂い」や「むわっとした夏の空気」、そしてマメパトたちの愛おしい大ボケが、さわやかな夏のそよ風とともに鮮烈に蘇るはずです。ただ綺麗なだけの写真はいつか忘れてしまうけれど、このアホですれ違った記憶は、一生忘れることのない最高のサマー・ブリーズ・メモリーとして心に刻まれる。こみや氏がこの1枚に込めた本当のパッションは、私たちにそんな「誰かの大切な夏の思い出」を追体験させてくれるところにあるのかもしれません。みなさんの手元にあるこのカードも、じっくり眺めて「自分だけの夏の記憶」を動かしてみてはいかがでしょうか。
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