🔍 収録情報 & 10年の絆のタイムライン
・左:ヒトカゲ(003/032 C)
・中:リザード(004/032 C)
・右:リザードン(005/032 U)
イラストレーターのこまやま明(Akira Komayama)氏が手掛けたこの3枚。カードのイラスト、フレーバーテキスト、そしてワザの連動性すべてを繋ぎ合わせたとき、少年とポケモンが歩んだ泥臭くも温かい『10年以上の愛と成長のドラマ』が姿を現します。
【Get場所】
実店舗(カードショップ)」(★★★☆ )👉 ショーケースでたまに見つかる。
「ネット」(★☆☆☆)👉 一瞬で見つかる。
全部メルカリでゲット。実店舗ではなかなか見かけない。
🔥 1枚目:ヒトカゲ(やんちゃな始まり)
「うわーーん!待ってよ、ヒトカゲ!まだ家を出たばかりなのに!」
扉を閉めたばかりの、僕の家のすぐ前。越してきたばかりのこの街で、初めて僕のパートナーになってくれたヒトカゲを連れて、「よし、これから初めての冒険に出発だ!」と意気込んで白い柵を通り抜けた、まさにその瞬間だった。
元気すぎるこの子は嬉しさのあまり暴走し、僕のメガネを奪って大はしゃぎで庭先を逃げ回っている。ボヤけた視界の中、僕は必死に涙を拭いながら、前を走るオレンジ色の影を追いかけた。「もう……どうしたらもっと仲良く旅ができるのかな……」
ついに足がもつれて、僕は地面にペタンと転んでしまった。膝がすりむけて痛いし、メガネがないから周りもよく見えない。実家のすぐ前なのに、寂しさと情けなさで、とうとう大声で泣き出してしまった。
――その時、足元でカサリ、と草が揺れる音がした。涙で滲む視界の先。さっきまであんなに楽しそうに逃げていたヒトカゲが、トコトコと僕の目の前まで戻ってきていた。僕が本気で泣いてしまったのを見て、すっかり焦ってしまったらしい。
「キュウ……?」申し訳なさそうな声を出しながら、ヒトカゲは両手で大事そうに持っていたメガネを、そっと僕の膝の上に置いた。
驚きながら僕がメガネをかけ直すと、すぐ後ろにある僕の家と、目の前でもじもじと下を向いているヒトカゲの姿がくっきりと色を取り戻した。「……なんだ、おどかしたかっただけなんだね。よし、行こう!」
怒る気なんて消えてしまった。泥のついた手で頭を撫でると、ヒトカゲは嬉しそうに「ヒトカ!」と鳴いた。ヒトカゲは僕のズボンの裾をぎゅっと掴み、僕たちは今度こそ一緒に、遠くに見えるまだ見ぬ世界へ向かって最初の一歩を踏み出した。僕とヒトカゲの、これが本当の「はじまり」の日。
🦖 2枚目:リザード(思春期の親友)
青空が広がる明るい昼下がり。大きな木の枝に並んで腰掛け、僕は分厚い研究書を広げていた。ページに並んでいるのは、いくつかの難しそうな円グラフや折れ線グラフ、そしてポケモンの生態を描いた挿絵だ。
僕はページの隅に書かれた文字を、指先でゆっくりとなぞりながら、隣のリザードに話しかける。「ねえ、リザード。これ、僕たちの『声』がどれくらい届いているかっていうグラフなんだって。僕の気持ち、ちゃんとお前に届いてる?」
かつて僕のメガネを奪って逃げていたやんちゃ坊主は、今や僕の言葉を一生懸命に理解しようと、自分の両手の爪をもぞもぞと動かしながら、本のグラフを必死に見つめている。
『フレンドコール』――それが、僕がこの本で見つけた、僕とリザードを繋ぐための大切なワザの名前。言葉が通じない人間とポケモンが、どうすれば本当の「ともだち」になれるのか。僕が文字をなぞる隣で、リザードも真似するように不器用な指を動かす。昼間の温かい光の中、僕たちは確かに、ふたりだけの特別な合図(コール)を作り上げていた。
🐉 3枚目:リザードン(生涯の相棒へ)
ゴォゴォと激しい風が吹き荒れる、視界ゼロの白い世界。大きくなった僕は、かつて昼下がりの木の枝の上でリザードと一緒に図鑑を眺めながら約束した、未知の領域を目指して雪山を突き進んでいた。
激しく吹き付ける雪混じりの風を遮るように、リザードンがその巨大な片羽を広げて僕を囲う。羽の内側は、相棒の放つ熱気で心地よく温かかった。突風の激しさに、僕は一時的に片目をきゅっと瞑る。しかし、僕の心に焦りや緊迫感は微塵もなかった。
ジャケットの前から入ってくる風が気持ちい位には冷静だ。掛け直したメガネの奥の視界はどこまでもクリアに写っている。昔、帰り道でメガネを奪われて泣いていたあのちいさな僕の姿は、もうここにはない。
肉体的にも精神的にも、僕はリザードンと共に、過酷な環境を物ともしない本物のトレーナーへと成長していた。
「リザードン、あの日、木の枝の上で一緒に指を動かして考えたこと……覚えてる?」僕が語りかけると、リザードンは不敵にニヤリと笑った。『おもいだす』。蘇ったのは、あの日リザードの時に、人間の言葉を理解しようと一生懸命に動かしていた、あの鋭い両手の爪の記憶。「いくよ、――『きりさく』!」
リザードンが力強く片腕を振り上げる。進化の記憶を呼び覚まし、リザードンの巨大な爪が、僕たちの行く手を阻む冷酷な吹雪そのものをつなぎ、空間ごと一閃に引き裂いた。
ざぁ、と風が割れ、僕たちの前に一本の明確な道が出来上がる。無理に大技で暴れる必要なんてない。僕たちには、積み重ねてきた確かな絆の歴史があるのだから。
片目を開けて立ち上がった僕の視界の先で、リザードンは頼もしそうに首を鳴らし、切り開いた世界の向こうへ向けて、僕たちは何事もなかったかのように歩み始めた。
📚 総括テーマ:「リボンの裏に隠された、男前な大長編フィルム」
進化するごとに成長していくトレーナーの姿、そしてワザ「フレンドコール」から「おもいだす」へと繋がる壮大な伏線回収。女の子向けのキュートなパックにこんなにも硬派で美しい映画を閉じ込めたこまやま明氏の遊び心は、ポケカのロマンそのもの。絶対手に入れるべき三枚セット。
💡 所有するカードイラストの考察をお届けしています。
もしサイトを楽しんでいただけましたら、新たなカードへの出会いをご支援(100円〜)をいただけると励みになります。


コメント