🔍 写り込み:静寂に浮かぶ、謎の光る足跡
2020年2月発売 ソード&シールド 強化拡張パック「VMAXライジング」収録 | 型番:S1a 005/070 C
【入手場所】
・実店舗(カードショップ):★★☆☆ 「それなりに見かける」通常のノーマルストレージコーナーを探せば手軽に見つかるレベルです。
・ネット通販・フリマ:★☆☆☆ 一瞬で見つかります。
🎨 イラストレーター:Illus. Shibuzoh.(しぶぞー)氏
面白く、可笑しく、そしてどこか抜けているような愛嬌たっぷりの作品を多く手がける大人気公認絵師。温かみのある優しい絵風と、ざらつきのある独特な手書きタッチで世界中のコレクターを虜にしています。遊び心が非常に豊富で、他のポケモンやユニークな隠し要素が背景にひょっこり現れるカメオ(写り込み)作品を数多く手がけています。
💬 イラストの世界観考察:満月の夜、静寂の雪山に残されたたった一つの残滓
しぶぞー氏の作品の中でも、強烈な個性を放つお気に入りの一枚。本当に不思議な世界観と表現力に満ちています。満月の晴れ渡った夜、静寂に包まれた雪山に突如として現れた【たった一つの光る足跡】。その周囲には、他には何の足跡も、人の気配すらありません。その不思議な足跡を、ユキカブリが木陰から戸惑うように不思議そうに見つめています。
この絵を紐解く最大の鍵は、カードが発売された「時勢」にありました。パック発売当時は、まさに2020年2月。日本国内において、新型コロナウイルスの影がすぐそこまで迫っていた、まさに世界的なパンデミック直前のタイミングでした。観光地などのレジャー施設から徐々に人間の姿が消え、街も少しずつ閑散としていったあの冬。この「人間の足跡だけがポツンと残され、誰もいなくなってしまった静かな雪山」というイラストは、偶然にも当時の「人が消えていく現実世界」の寂しげな世相を、今見るとあまりにも強く想起させるものとなっています。
⏳ 歴史的背景:2020年の孤独と切なさを映し出した、時代を切り取る名画
なぜ、この人間の足跡は「光っている」のか。そして、突如としてどこへ消えてしまったのか。その行き先こそが、当時の人々が求めた【オンラインへの逃避(デジタルの世界)】。この不思議な光は、人間がスマホやインターネットの世界(光の世界)へと一斉に吸い込まれるように消えていった、その残滓(なごり)のようにも思えてなりません。
また、現実世界で巻き起こった「他者となかなか会えなくなってしまった寂しさ」が、この「人間のぬくもりを求めて足跡をそっと見つめるユキカブリ」の健気な姿で見事に表現されています。現実の人間がみんな部屋に閉じこもり、画面の光だけを頼りに生きていたという【2020年特有の孤独と切なさ】が、コモンカードの「光るたった一つの足跡」に見事に映し出されています。
そう考えると、このユキカブリのイラストは、当時の混沌とした世界を切り取った歴史的な名画のようにも思えてきます。公式がいつ企画をして、いつしぶぞー氏がこのカードを執筆したのかは分かりませんが、こういった時代との奇妙なシンクロや奇跡的なメッセージに出会えるからこそ、ポケモンカードのコレクションはやめられません。
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